第一章、1、戦艦ビクトリア
クリスティアンが乗船する戦艦は「ビクトリア号」である。ビクトリアの名前の由来はクリスティアンの従姉妹の名前である。ビクトリアはクリスティアンが子供のときによく遊んだ人物で帝位継承権がある人物でもあるが帝位継承の順位は低い。
ビクトリア号の艦長はミゲル・セルバンティス少佐である。年齢は29歳で優秀な士官であるが平民の出であるために公正に評価されないでいた。参謀長はフランシスコ・デ・マルコ大佐である。マルコ大佐はクリスティアンの幼年学校での1年後輩で22歳、貴族出身である。武勲を重ねたため出世できた面もあるが貴族の出であれば階級もよういに上がるのが帝国軍の人事でもあった。
クリスティアンとマルコが艦橋にいた。
マルコ「提督、何か不安なことでもあるのですか?」
クリス「ああ、戦場に出れば不安になるものだ。指揮官が不安だとはいえない面があるが、艦隊の士気にかかわるからな?貴官は今回の作戦をどう思うのだ?」
マルコ「正直言って出世するよい機会かと、作戦自体はどうも納得いかない面もありますが」
クリス「私もそうだ。敵の補給基地を攻撃するという意味もよくわからない。それをしたから戦略的に優位に立てて戦争を終わらせるとも思えないしな」
2人が話をしていると副官のミシェル・パレス少尉が艦橋に入ってきた。クリスティアンは「ミカイ」と彼女を呼んでいた。しかし2人だけか気のおける者たち前でだけであるが、ミカイもクリスティアンをクリスと呼んでいた。ミカイも優秀であるが貴族の出で無いことと女性であるため出世が遅かった。
ミカイ「提督、参謀長、コーヒーでもお持ちしましょうか?」
クリス「そうしてくれ」