8 作戦会議

 

マルコ大佐、セルバンテス少佐、べネガス中佐、グラナドス少佐はクリスティアンとミカイのいる会議室に向った。アレックス・べネガスはクリスティアンが他の艦隊から引き抜いた平民での勇敢な指揮官である。エスティバン・デ・グラナドスは下級貴族の出で武勲を立てて出世した士官である。年齢は17歳である。幼年学校を卒業してすぐに前線に赴き武勲を上げた。グラナドスの姉は皇帝の公妾である。半ば強制的に皇帝の公妾(皇帝の愛人)になることを強要された。姉を取り戻したいという一心で軍人になることを決意した。協調性に欠けるところもあるが優秀である。指揮官としては扱いにくい存在でもあった。ポルタゴールがクリスティアンに対して嫌がらせをしたという面もあった。

 

ミカイが作戦を説明した。工作船が3万個の隕石を牽引してクロノス星系外縁に運び出すこととその後、惑星ヘラに向かい敵の補給基地を攻撃するものであった。無人の戦艦を20隻程度、隕石群とワイヤーで固定して隕石をどこにでも運べるようにしておくことであった。その後、第七惑星(ガス状の惑星)に向かいその周辺で待機することであった。グラナドス少佐はクリスティアンと同じ今回の連合の補給基地をたたくことが無意味なことであると思っていた。だが同時に武勲を上げるよい機会と捕らえてもいた。内心クリスティアンに対しては無能な上官ではないと思っていたが将来的には最大の敵になるとも感じていた。クリスティアンも同じ思いであった。またグラナドスが皇帝の地位を簒奪するのではないかと思っていたがそのことは誰にも言わないでいた。

 

クルスティアン「パレス少尉からの説明は以上であるが質問は?グラナドス少佐、今回の作戦はどう思われるか?」

 

グラナドス「は、分艦隊司令の言われるとうりにしたほうがいいと思います。私も同じ考えです。」

 

クリスティアン「他に何かあれば聞くが?作戦開始はクロノス星系の外縁に到着したと同時に行う当直以外のものはそれまで休んでよい。今から約20時間後にクロノス星系に到着予定だ。飲酒も許可する。それでは解散」

各人持ち場に帰っていった。

 

クルスティアン「ミカイ、どうも偏見でいうような感じだがグラナドス少佐は扱いにくそうだ」

 

ミカイ「ああいうタイプは気が難しいかもね、」

 

クリスティアン「ミカイ、ゆっくり休んでくれ、19時間後に艦橋に来てくれればそれでいい。」

ミカイとクリスティアンもそれぞれの部屋に戻った。