銀河戦記序章2
銀河統一帝国軍は恒星間自由連合とオリオン人民共和国と戦争状態にあった。三カ国は三つ巴な戦争状態になって100年が経過していた。こう着状態が続き決着がつかない状況である。そうした中、銀河統一帝国の軍首脳たちが新たな出兵計画を考えていた。オリオン人民共和国は経済的に疲弊しているため恒星間自由連合に大兵力(大艦隊)を派遣してこれを一気に叩き潰しその余勢でオリオン人民共和国も侵略してしまうという計画だ。これは軍内部での計画案でありまた実行不可能であるため行われることは無いが作戦のひとつとして帝国宰相に提出された。当然その他の案もあった。
その他の案とは敵(恒星間自由連合)の領内の補給基地や軍事施設を破壊することで当面、敵の侵略行為ができなくなるようにする作戦案である。帝国宰相も現実的な作戦案と判断して皇帝のこの作戦案の上奏した。皇帝フランシス3世はこの作戦案を遂行することを許可したのである。もうすでに銀河統一帝国も300年以上の歴史があり軍部や官僚、貴族などの勢力がかなり強くなっていた。そしてその内部は腐敗していた。皇帝は政治には関心も無い状況であった。民衆はほとんどが帝国に対して不満を抱いていたが内務省の社会秩序維持局が監視の目を光らせていて帝国に対する批判を反逆罪としたため沈黙していた。そうした不満のあるものたちは恒星間自由連合や旧地球連邦に亡命するものが多かった。当然、勝手に帝国を抜け出して密航して帝国の警察に捕まれば反逆罪で処刑されるか再教育の名の下に強制収容所に送られるか、農奴階級に落とされて無名の惑星で開拓事業に従事させられるかであった。